INTERVIEW

ホームインタビュー記事LTI Staffing Co.,Ltd CEO 金井 雅虎

海外で起業 20代の選択は「安定」より「チャレンジ」を!

LTI Staffing Co.,Ltd
CEO 金井 雅虎
update: 2022.01.05

新卒でリクルートに入社し、ミャンマーで起業した金井雅虎さん。
海外で起業を決めた人材会社社長のチャレンジングな選択と、これからも大切にしていきたい想いを語っていただきました。

途上国ミャンマーでの起業・リスクは避けるべきではなく、必要なもの

大学生時代に就職活動中をしていく中で、自分は小学校から私立に通わせてもらい両親からしっかりとした教育を受けさせてもらっていたことを実感。もし、自分に子供ができたら同じような経験を積ませたいという思いが強くなっていく。その中で、大手で給与も高く、人材育成に力を入れているリクルートに魅力を感じ、入社を決める。
リクルートで活躍しながらも、20代の間に自身の英語力を活かして海外で起業したいと思いが次第に強くなり、起業を決意。多くの人に相談をする中で、同じタイミングで別々の知人から2つの誘いを受ける。1つは大手企業・アメリカ子会社の雇われ社長、もう1つがミャンマーの人材会社の創業だった。
当然、アメリカ子会社の社長の方が報酬も高く安定はしていたが、20代の間は安定を求めるのではなく挑戦し続けたいという思いから、現在のLTI Staffing Co.,LtdのCEOへ。経営者という立場で自らの意思決定で自由に行動することができ、ミャンマーという途上国でのチャレンジという環境が最大の決め手となり、海を渡った。



当初はキャッシュアウト寸前!危機を乗り越えたカギは「目の前の仕事を全力で行うこと」

社長としてミャンマーへ渡った後、ミャンマー人向けの就職サイトの運営を開始。ミャンマーも、社長業も初めての事ばかりで、手間取っていた。
半年後、なかなか認知度が上がらず売り上げが伸び悩み、当初7人いた社員も1人を残して解雇せざるを得ない状況になってしまう。キャッシュアウト寸前のところまで追い詰められ、社長として初めての半年間は、社員の解雇という1番やりたくない事をせざるを得ない状況だった。

半年経過後、力を入れていた日系企業向けエンジニアの派遣事業がようやく軌道に乗り始める。またミャンマー人向けの日本語学校の運営も開始。優秀なミャンマー人を日本企業に紹介するという事業も展開、従業員を再度雇うところまで回復した。

実は、この派遣事業や学校の運営は、今でもお付き合いしている企業様がご紹介していただいたもの。ミャンマーに行って苦しんでいたものの、日々の仕事をひたむきに努力していたことが予想もしない縁を運んでくれたのだ。
厳しい状況ながら腐らず日々の仕事に全力で向き合うことで、お客様の信頼を少しずつ積み重ねた結果が、派遣事業を軌道に乗せてくれたと思っている。


本音を言い合える組織で、ミャンマーと日本の架け橋へ。

コロナウイルスが流行する直前の2020年2月。
以前から導入を検討していた、完全リモートをいち早く決定。

それまでは、全員が出社して直接顔を合わせていたが、ただ同じ場所にいるというだけで各社員と1on1で会話することが出来ていなかった。試しで数回リモートを実施したところ逆に各社員との会話が増え、組織のコンディションを把握しやすくなった。特に1on1で会話する機会が増え、今まで聞けなかった個人の想いを直接聞けることは、とても貴重な機会となっている。

その中で特に大切にしていたのは、チェックイン・チェックアウト。
チェックイン・チェックアウトとは、ミーティングの開始前と終了後に参加者ひとりひとりの今の気持ちや体調など、本音を話す機会のこと。話した内容に関しては、非難は当然のこと、賞賛もしてはいけない(賞賛をすると、他の社員が次は同じような事を話そうとして、本音を話さなくなるから)。当然、社長自らの気持ちや体調も素直に話す。そうすることで、どんなに離れていても社員のコンディションを把握することができている。

今後も密にコミュニケーションを取りながらゆくゆくはミャンマーと日本の架け橋となるようなビジネスを展開していきたい。


事業内容:求人アプリ運営・ミャンマーでの人材派遣・日本 語教室運営・日本での外国人採用コンサルティング
設立:2018年10月
従業員数:10名
企業HP:https://www.lanthitstaffing.com/

インタビュアー

境野香菜(取材日:2021/10)